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マイケル・ルイス新作 Flash Boys - HFTへの考察と批判 -

マネー・ボールや世紀の空売り、ライアーズ・ポーカーで有名なジャーナリストのマイケル・ルイスの新作が発表。今度の対象はHFT(High Frequency Trader)。3月31日発売だが、Kindle版は日米ともにすでに提供開始されていて、どちらもほぼ同じ価格で1000円を割っている。日本語版が出るのは確実だと思うし、もしも出なかったら版権買ってでも翻訳したいと思うが、まず電子トレーディング関係者(自己・委託を問わず)は英語版でも読んでおくべきだと思われる。

Flash Boys: A Wall Street Revolt

Flash Boys: A Wall Street Revolt

さすがにマイケル・ルイスだけに、マスコミの取り上げ方が違うし、発売前日の60 minutesにも出ている。本人もNY Times Magazineへは寄稿している。

The Wolf Hunters of Wall Street

Is the U.S. stock market rigged? - CBS News

Michael Lewis, Flash Boys, and 60 Minutes

Michael Lewis: Flash Boys Could Shake Wall St. -- Daily Intelligencer

U.S. stock markets are rigged, says author Michael Lewis | Reuters

しかも、かなり批判的な書き方になっているようで、トレーディングコミュニティが社会へ、さらには規制機関へのインパクトをかなり気にしている。SECは最近はHFTには若干厳しい方向ぼ印象。さらに、NY州のシュナイダーマン司法長官はHFTへの規制を口にしている。というか、Wall StreetはNY州司法長官がポイントを稼ぎたい時のターゲットなのだが。いずれにせよ、何らかの規制なり罰金(のようなもの)なりを、この本で出てきた世論に合わせてやるのは「うまい方法」になる。

米株市場は八百長試合、高頻度取引など正気でない-ルイス氏 - Bloomberg

High-Frequency Trading: An Important Conversation :: TabbFORUM - Where Capital Markets Speak (多分要無償登録)

2012年前半以降ほとんどHFTを追っていないが、米国では2011年ぐらいまでで彼らの美味しいところは概ね終わった印象なので、ここ1年ほどの調査で書かれたこの本では何が出てくるのかは正直良くわからない。FXや先物、さらにマルチアセットの裁定あたりはまだ美味しさがあるのかもしれない。

ただ株だと今はレッドオーシャンというか、金持ち全部勝つ、一方で規制は厳しい、結果的に高速電子マーケットメイキングになってたのではないか、という印象。そうすると、昔のスペシャリストと収益ではあんまり変わらない、とすればつまりはそれは市場の自然なコストなのではないのか、と思っていたのだが。むしろ、シートの権利を買わなくて言い分フェアではないか、と。株は自然に値が付くものだと思われている一般の人には理解してもらいにくいのだが。